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夏なお寒い五月の雨は 恵みの雨と人の云う
雫に打たれその身を揺らす 草木のなんと美しや
雨粒吸うた重き袂を 脇に抱えて背な丸め 小股に走りて宿探す
夏なお遠き五月雨月は 神の涙の降る季節…
「また雨の季節がやってきたのう…」
「梅雨は苦手で御座る…」
「ほう、ぬしの其の様な姿は珍しいのう?」
「この季節は拙者の毛皮が恨めしい…」
「ははは、成る程!道理で近頃のぬしと来たら
カリカリ、カシカシと落ち着きが無いと思うたわ。」
「…ふん、笑わば笑え。」
「いや、難儀じゃのう…一層狩ってしまえばどうじゃ?」
「其方も侍ならば些か真剣になっては如何かと何度思うたか…」
「是で何度目じゃ?是まで随分と呆れさせた気もするが
十は越すかも知れぬのう。」
「否、両手両足の指では足りぬ程で御座る。」
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